警視庁によるインターネットカフェ規制に反対します

 警視庁は、インターネットカフェを規制する条例の成立を目論んでいます。インターネットカフェを利用するときには身分証の提示を義務付けようとしています。
 「インターネットカフェ等を利用した犯罪等の防止対策の在り方に関する報告書」(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/in_cafe/image/in_cafe.pdf)では、ネットカフェは個室なので犯罪の温床となっていることを指摘していますが、ほかの宿泊施設でも同様のことは起こりうると思います。なぜネットカフェをことさらに規制強化しようとしているのか、わかりません。
 夜まわり三鷹と関わっている仲間には、土砂降りの雨が降りしきっている日に家がないために身分証を含む何もかもを失い、絶望の中でネットカフェを利用して命をつないできた人もいます。
 私たちは、プライバシーを侵す安易な規制に反対します。

 規制に反対している「地域共闘交流会」では、下記声明への賛同者・団体を募集しています。賛同できる方・団体は、次の要領で。
  ・第1次締切  2月20日
  ・記入内容  「インターネットカフェ規制に反対する共同声明に賛同します」
         賛同者または賛同団体名(できれば住所・電話番号・メールアドレスも)
         賛同名の公表は、可か否か
  ・送付先   メール(dystopia.tokyoあっとまーくgmail.com)または
          ファックス(03-3262-3088)
          「あっとまーく」は「@」に変えてください

インターネットカフェ(漫画喫茶)規制に反対する共同声明

 昨年11月下旬、警視庁はインターネットカフェ(パソコンを置いている漫画喫茶)における、ハイテク犯罪防止を柱とする全国初の規制条例案を、今年春の東京都議会に提出する予定であると発表しました。新聞報道によると、その内容は「店側に、利用者の本人確認を行うことや利用記録の3年間保存などを義務付け、違反した場合は罰則を科す。利用者が名前や住所を偽る行為も罰則の対象にする」というものです。警視庁はこの件に関する「有識者会議」(警察の意見に同調する学者等で構成)を開き「インターネットカフェ等を利用した犯罪等の防止対策の在り方に関する報告書」を作成していますが、それを見る限り、今回の規制には以下に指摘する通り多くの問題点があります。

1.利用者への配慮がなく、プライバシー侵害の危険性が高まる。

 「本人確認」が運転免許証など顔写真付きの身分証に限定されれば、利用者は大幅に限られ、そもそも身分証を持たない人は利用できなくなる。店側に3年間も利用記録を保存させる方法も明示されず、情報流出の危険性もある。本人の同意のない利用記録の開示はプライバシーの侵害になり、店側にも過剰な負担を強いることになる。

2.「ネットカフェは犯罪の温床」とする警視庁・有識者会議の意見は作為的である。
 「今回の条例はネットカフェでのハイテク犯罪防止が目的」とされるが、ネットカフェでのハイテク犯罪の件数は明らかにされていない。警視庁のデータによれば、都内のネットカフェでの犯罪認知件数は半年に1件程度なのに、他の24時間営業の業種との比較データもなく、条例制定の根拠に乏しい。「犯罪」というなら最も多いはずの「置き引き」等に対してはロッカーの整備などで対応できるはず。

3.ネットカフェを利用せざるを得ない人たちの排除が目的ではないか。
 身分証提示の義務付けにより、野宿労働者や派遣切りにあった労働者が一時的に体を休めたり宿泊に利用してきたネットカフェ(都の資料によれば「官製派遣村」を利用した人860名中、30%、259名が主な宿泊場所としていた)から事実上締め出されることになり、本来なら福祉の問題として考えるべきことが治安・管理の問題にすりかえられていく。

4.警察の職権乱用を増やすだけ。
 「ネットカフェ規制条例」により、監視カメラの増加、情報提供の強要、警官の立ち入り、従業員の監視など、ネットカフェ利用者や店で働く労働者の人権を無視した警察の職権乱用がひどくなることが予想される。「営業の開始・変更・廃止」についての「公安委員会への届出義務」は、これらの危険を増幅する。

 私たちは今回の「ネットカフェ規制」が警視庁主導により昨年改悪・施行された「東京都安全安心まちづくり条例」の一環であり、ますます警察による市民生活の監視・管理体制を強めるものとして、条例制定に強く反対します。都議会では慎重審議のうえ、否決されるよう求めます。
                          2010年2月1日

呼びかけ:「東京都安全安心まちづくり条例改悪に反対する共同声明」
     連絡先:東京都千代田区三崎町3−10−15 富士ビル405
         「地域共闘交流会」気付 TEL&FAX 03-3262-3088
          e-mail:dystopia.tokyoあっとまーくgmail.comディストピアTOKYO)
          「あっとまーく」は「@」に変えてください

ネットカフェ規制反対!! 都議会開会日に都庁前で情宣

   時  2/24(水)11:30〜12:30
   所  東京都庁議会棟前

●またもや前田教授と有識者懇談会
 昨年11月の「有識者懇談会報告書」をもとに、警視庁がネットカフェ規制条例を2月都議会に提案しようとしている。身分証の提示を求め、詳細な利用記録を保存させる。あわせて営業についての公安委員会への届け出制により、業界を警察の強力な指導・管理下に置くこととなる。
●ハイテク犯罪を防止?
 最大の目的は「ハイテク犯罪の防止」だという。しかし、半年間で1店当たり1件の犯罪をとらえて、一方的に「犯罪の温床」と決めつけ、「犯罪防止のためなら何でもやれる」社会を私たちは望まない。
●排除は認めない!! 情宣行動に参加を!!
私たちは安全・安心まちづくり条例改悪に反対してきた立場から、自由な利用に対する警察の規制に反対する。野宿者や派遣切りにあった人たち、自由な利用を求める人たち、の排除は認められない。


東京都安全・安心まちづくり条例改悪に反対する共同声明