ネットカフェ規制条例に反対しよう

 現在開かている東京都議会で、東京都公安委員会による「インターネット端末利用営業の規制に関する条例」が可決されようとしています。本人確認をしなければネットカフェを利用できないようにしようという条例です。安全・安心の名目で本人確認しようとしているようですが、本人確認しなければ利用できない宿泊施設はいくらでもあります。なぜ、ネットカフェにだけ、本人確認できないと利用できないようにしているのか、「インターネットカフェ等を利用した犯罪等の防止対策の在り方に関する報告書」(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/in_cafe/image/in_cafe.pdf)を読んでも、根拠はあいまいです。
 ネットカフェは、住まいを失った人が最後にたどりついた屋根として利用されることがあります。住まいをなくしたが故に身分証も紛失してしまう人もいます。夜まわり三鷹の仲間にも、土砂降りの雨の中で身分証を含む何もかもを失い、絶望の中でネットカフェを利用して命をつないできた人もいます。最後の最後にたどりついた屋根を奪わないでください!
 この条例は、都議会の「警察・消防委員会」で審議・採決され、都議会本会議で採決されることになります。都議会の最大会派である民主党が反対すれば、否決される可能性が広がると思います。
 みんなで、反対の声を広げていきましょう。

インターネット端末利用営業の規制に関する条例(新設) …公安委員会

条例案概要(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/02/20k2h101.htm
【概要】
 個室や個室に類する施設を設け、インターネットを利用することができるようにする役務を提供している営業者に対し、本人確認義務等を課す規制を行い、営業者が適切にインターネット利用を管理する体制の整備の促進及びインターネットカフェ等を利用したハイテク犯罪の防止を図ることで、それ以外の各種犯罪・事案を防止することも含めて、都民が安全に安心してインターネットカフェ等を利用できる環境を保持することを目的とする。
(例)
・インターネット端末利用営業を営むにあたり、公安委員会に届け出ることを義務付ける。
・インターネット端末利用営業者に対し、利用者にインターネットを利用することができ
  るサービスを提供するにあたっての本人確認を義務付ける。また、本人確認記録等
  の作成・保存を義務付ける。
公安委員会が上記の義務に違反したインターネット端末利用営業者に対して必要な
  指示を行うことを可能とする。
・上記の指示に従わないものに対し、営業の全部又は一部の停止を命ずることを可能
  とする。
・ 営業停止命令に反する者等に対する罰則規定を設ける。
   (例)営業停止命令に違反した者…1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

【施行期日】 2010年7月1日

警察・消防委員会

 委員長   石森たかゆき(自民、八王子)
 副委員長  東村邦浩(公明、八王子)
       酒井大史(民主、立川)
 理事    宮崎章(自民、立川)
       和田宗春(民主、北)
       吉田信夫(共産、杉並)
 委員    土屋たかゆき(無(平成維新の会)、板橋)
       ともとし春久(公明、足立)
       中嶋義雄(公明、世田谷)
       吉野利明(自民、三鷹)
       比留間敏夫(自民、府中)
       山下太郎(民主、北多摩第4)
       大沢昇(民主、江東)
       田中良(民主、杉並)

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ネットカフェ規制に反対するデモ!
  時  3/13(土)13:00〜
   所  新宿区柏木公園
http://www.shinjuku.info/S75269.html

インターネットカフェ(漫画喫茶)規制に反対する共同声明

 昨年11月下旬、警視庁はインターネットカフェ(パソコンを置いている漫画喫茶)における、ハイテク犯罪防止を柱とする全国初の規制条例案を、今年春の東京都議会に提出する予定であると発表しました。新聞報道によると、その内容は「店側に、利用者の本人確認を行うことや利用記録の3年間保存などを義務付け、違反した場合は罰則を科す。利用者が名前や住所を偽る行為も罰則の対象にする」というものです。警視庁はこの件に関する「有識者会議」(警察の意見に同調する学者等で構成)を開き「インターネットカフェ等を利用した犯罪等の防止対策の在り方に関する報告書」を作成していますが、それを見る限り、今回の規制には以下に指摘する通り多くの問題点があります。

1.利用者への配慮がなく、プライバシー侵害の危険性が高まる。

 「本人確認」が運転免許証など顔写真付きの身分証に限定されれば、利用者は大幅に限られ、そもそも身分証を持たない人は利用できなくなる。店側に3年間も利用記録を保存させる方法も明示されず、情報流出の危険性もある。本人の同意のない利用記録の開示はプライバシーの侵害になり、店側にも過剰な負担を強いることになる。

2.「ネットカフェは犯罪の温床」とする警視庁・有識者会議の意見は作為的である。
 「今回の条例はネットカフェでのハイテク犯罪防止が目的」とされるが、ネットカフェでのハイテク犯罪の件数は明らかにされていない。警視庁のデータによれば、都内のネットカフェでの犯罪認知件数は半年に1件程度なのに、他の24時間営業の業種との比較データもなく、条例制定の根拠に乏しい。「犯罪」というなら最も多いはずの「置き引き」等に対してはロッカーの整備などで対応できるはず。

3.ネットカフェを利用せざるを得ない人たちの排除が目的ではないか。
 身分証提示の義務付けにより、野宿労働者や派遣切りにあった労働者が一時的に体を休めたり宿泊に利用してきたネットカフェ(都の資料によれば「官製派遣村」を利用した人860名中、30%、259名が主な宿泊場所としていた)から事実上締め出されることになり、本来なら福祉の問題として考えるべきことが治安・管理の問題にすりかえられていく。

4.警察の職権乱用を増やすだけ。
 「ネットカフェ規制条例」により、監視カメラの増加、情報提供の強要、警官の立ち入り、従業員の監視など、ネットカフェ利用者や店で働く労働者の人権を無視した警察の職権乱用がひどくなることが予想される。「営業の開始・変更・廃止」についての「公安委員会への届出義務」は、これらの危険を増幅する。

 私たちは今回の「ネットカフェ規制」が警視庁主導により昨年改悪・施行された「東京都安全安心まちづくり条例」の一環であり、ますます警察による市民生活の監視・管理体制を強めるものとして、条例制定に強く反対します。都議会では慎重審議のうえ、否決されるよう求めます。
                          2010年2月1日

呼びかけ:「東京都安全安心まちづくり条例改悪に反対する共同声明」
     連絡先:東京都千代田区三崎町3−10−15 富士ビル405
         「地域共闘交流会」気付 TEL&FAX 03-3262-3088
          「あっとまーく」は「@」に変えてください

声明への賛同者・団体を募集しています。賛同できる方・団体は、次の要領で。

  ・記入内容  「インターネットカフェ規制に反対する共同声明に賛同します」
         賛同者または賛同団体名(できれば住所・電話番号・メールアドレスも)
         賛同名の公表は、可か否か
  ・送付先   メール(dystopia.tokyoあっとまーくgmail.com)または
          ファックス(03-3262-3088)
          「あっとまーく」は「@」に変えてください