野宿の仲間の「仕事」を奪うな! 墨田区・京都市の動き

 アルミ缶集めを規制する条例が、各地でつくられています。例えば、ここ三鷹・武蔵野に近い東京都世田谷区にも、同様の条例があります。条例に違反したとして、業者が有罪になる例もあります。

 都市雑業という廃品のリサイクルは、仕事・収入を失い屋根を失った野宿の仲間が最後にたどりついた野宿の仲間の唯一の収入源、「仕事」です。三鷹では、アルミ缶1Kg(350mlのビール缶60個分)が、今年8月時点で85円。1日集めても数百円にしかならない、最低賃金を大きく下回る「仕事」です。それでも、家賃を払わないで生きている野宿の仲間がメシを買って腹を満たす、貴重な「仕事」なのです。
 近年、各地の支援団体が福祉的な取り組みとして、野宿の仲間の仕事づくりを模索する動きもあります。でも、全国の野宿の仲間、たくさんの仲間にとっては、やはり、元手もなにもいらず自分のペースでできるアルミ缶や本集めは生活を支える糧とならざるを得ないでしょう。
 さまざまな自治体で進む資源ごみの囲い込み。野宿の仲間は、規制条例におびえながらアルミ缶・本集めをしています。

 東京都墨田区京都市でも条例制定の動きがありました。残念ながら墨田区では、今日から条例が施行されてしまいました。
 一方、京都市では、規制条例制定に反対する仲間のがんばりで、制定が延期されました。

 夜まわり三鷹のブログで、東京都渋谷区による、スポーツメーカーのナイキ・ジャパンと結託して宮下公園から野宿の仲間を追い出したことをお伝えしています。グローバル企業のナイキ(NIKE)と渋谷区は、金儲けのために、野宿の仲間が最後にたどりついた寝場所を奪いました。
 それと、最後の仕事を奪う規制条例制定の動きは、国家が保障する健康で文化的な生活=最低限度の生活を下回る、命を維持するためのぎりぎりの生存権をも奪いとろうという行為です。
 
 このような暴力が全国に広がることをくいとめよう。地方都市で生活保護の窓口を追い返されてどうしたらよいかわらずに必死に生きているような顔が見えない仲間とも、私たちはつながっています。まだ見ぬ仲間、一生会えないかもしれない仲間への連帯をこめて、みんなで闘おう。

 墨田区京都市の仲間が、アルミ缶集めの規制条例に反対するデモを呼びかけています。近郊の方は、ぜひ、参加してください。